沖縄高校野球情報局

沖縄で高校野球の速報等をやっている人です。

2021春季大会 総評

f:id:okinawabaseball:20210405150029j:image

4月4日に春季大会の決勝戦が行われ、興南が4-0で沖縄尚学との私学2強対決を制し、2年ぶり8度目の春季大会優勝果たした。

(Twitterでは2年ぶり14度目の優勝となっていますが、決勝進出回数をそのまま載せてしまいました。申し訳ありません。)

今大会も学校関係者と保護者のみに入場を制限する形で大会が行われたが、前回の大会は準決勝以降が中止となったことを考えると大会を最後まで行うことができてよかったと思っている。大会関係者に感謝の意を申し上げたい。

 

それではここから、新聞記事をベースにして春季大会を振り返っていきたいと思う。

春季大会を制した興南はエース山城京平が故障明けということもあり、1試合も登板がなかったが右の大山北斗と生盛亜勇太、左の上地杜和の3人で勝ち上がった。特に大山北斗は準々決勝の宜野座戦で13奪三振完封を果たすなど、大きな成長がみられた。ただ、打線はここぞの場面ではしっかりと得点につなげていく印象があったが、やや物足りなさも感じられた。夏に向けて打線強化が課題となりそう。

準優勝の沖縄尚学は秋は故障の影響で1試合も登板がなかった當山渚が復活したことが大きな収穫となった。打線は仲宗根皐が打率.444 4打点、後間翔瑚が打率.400 3打点という成績を残し、15打席以上立っている選手の中では8人中6人が3割以上の打率を残した。しかしながら残塁も多く見られ、夏に向けては決定力を上げることが課題となりそう。

ベスト4は美里工沖縄工が勝ち上がった。美里工は平良月が急成長し、ベスト4進出の立役者となった。また、下位打線まで気が抜けないという特徴も見られた。沖縄工は2人の左腕の継投で勝ち上がり、翁長大士が先発し、上原紳之祐がリリーフという形が定着していった。

ベスト8には八重山KBC未来沖縄浦添宜野座が勝ち上がった。八重山赤池寛太郎を中心にここぞの場面で得点を奪って勝ち上がっていた。夏に向けて投手力の向上が課題となりそう。KBC未来沖縄はベスト8ではトップのチーム打率(.317)を誇っていたが、1試合平均3失策の守備が大きな課題となった。浦添はエースの新城飛鳥が大きく成長し、夏に期待が持てる。打力向上が今後の課題になるだろう。宜野座はエースの玉城瞬哉が18回を投げて自責点1の好投で勝ち上がった。こちらも打力向上が今後の課題になってくるか。

 

ベスト8以外で気になった学校としては、今年から新監督が就任した北谷や大会序盤で興南を苦しめた首里具志川沖縄尚学を苦しめた中部商がまず挙げられる。このほか少人数ながら接戦をみせた那覇西浦添、連合チームながら打線が活発だった南部商・陽明・美里・久米島も印象に残った。一方で、秋季大会ベスト8の沖縄水産宮古日本ウェルネス沖縄石川が初戦で姿を消し、秋季大会ベスト4 の与勝も3回戦で姿を消すなど、ベスト8が秋とは大きく顔ぶれが変わる結果となった。

 

4月10日に3位決定戦とチャレンジマッチが行われ、夏のシード校4校が決定する。春季大会優勝の興南が秋準決勝で敗れた具志川商を相手にどんな戦いを見せてくれるのか、そしてシード校最後の1枠は美里工なのか沖縄工なのか その点に注目していきたい。